【コラム】誕生日祝い金の問題

投稿:2022年7月25日更新:2022年8月4日コラム

誕生日祝い金は給与になるのか?

従業員の誕生日に気持ちとして従業員に商品券などをあげたりする会社もあるかと思います。

このような誕生日祝い金は税務と労務では扱いが異なる場合があるので注意が必要です。

税務上の扱い

税務上は給与扱いになりますので、貰った従業員に所得税が課税されることになります。

扶養の範囲で働きたいパートさんなどいる場合には注意が必要です。

労務上の扱い

労務上も給与扱いになるとすれば、これは賞与ということになり、社会保険料や雇用保険料の対象となるほか、賞与支払届の提出が必要になります。

また、商品券で渡している場合には「通貨払いの原則」違反のおそれも出てくることになります。

このように給与にあたるとすると労務上は問題が生ずることになりますが、現状は年金事務所に問い合わせても賞与ではなく福利厚生扱いでよいという回答が多いようです

ただし、具体的な事情によっては賞与に当たると判断される場合もありますので、迷った場合には顧問社労士や管轄の年金事務所に確認するとよいでしょう。


税務と労務の調整

税務上は給与として課税されるのに、労務上は給与(賞与)ではなく福利厚生扱いとして社会保険料や雇用保険料の対象とならない場合、どうしたらいいのでしょうか?

これに関しては見解が分かれるところですが、当事務所としては賃金台帳には載せずに年末調整で対応するべきだと考えます

具体的には、年末調整の際に誕生日祝い金に相当する金額を収入金額に加算することで正しい所得税を計算することになります。


おわりに

誕生日祝い金については税務と労務で扱いが分かれることがあり、税務と労務の両方に精通していない専門家に聞いても一方のみを重視した回答がなされることがあります。

給与の問題は税務と労務の両方が関わる事柄ですので、税理士と社労士など両方の専門家のアドバイスを下に事務処理をしていくことをお薦めします。

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