訪問介護・居宅介護において自宅を事業所にできるのか?
地域によっては自宅の一室を事業所として訪問介護・居宅介護の指定を受けることができます。
名古屋市では一定の条件はありますが、自宅の一室を事業所をすることが認められています。
自宅を事業所とするメリット
訪問介護・居宅介護の運営においては、一般的に人件費の次に家賃が費用の大きな割合を占めることになります。
自宅を事業所として開業する場合には、毎月の固定費を大きく軽減することができますので、特に開業初期の経営の安定性が増すことができます。
自宅を事業所とするデメリット
居住スペースと事業スペースとの区分
自宅の一室を事業所とするとなると、居住スペースと事業スペースとの共有部分が生じたり、居住スペースと事業スペースとの区別が問題となります。
また、利用者の安全、プライバシー保護や個人情報の漏洩防止などの観点から問題が生じるおそれがありますので、指定申請の際の設備基準の審査で求められることが多くなります。
具体的には下記のようなことが求められることがあります。
①居住スペースと事業スペースとを繋ぐ扉は全て鍵を設置して施錠できるようにすること。
※利用者が居住部分に間違って入ってしまわないようにするためです。
②営業時間中は玄関の靴などは下駄箱に収納するなど整理整頓に努めるようにすること。
③夏休みなど長期休暇で日中も子供が自宅にいるような場合には、事業に支障を及ぼさないように静謐に努めること。
②や③については誓約書の提出が求められたりします。
共通経費の税務上の問題
電気代や水道光熱費などプライベートと事業と共通する経費の計上割合が税務上問題となるおそれがあります。
顧問税理士がいる場合には事前にどのようにするか相談する必要があるでしょう。
おわりに
自宅開業は開業資金や固定費の削減の面でメリットはありますが、認められるかどうか、認められるとしても求められる条件は開業しようとする地域の指定権者(都道府県・市町村)によります。
自宅開業を検討される際は事前に地域の都道府県・市町村の窓口に相談しましょう。